目次
はじめに
「授業中にじっと座っていられない」「集中力が続かない」「気が散りやすい」──そんな子どもの姿に、不安や心配を感じている親御さんは多いのではないでしょうか。
落ち着きがない・多動ぎみという行動は、決して珍しいものではありません。特に小学校低学年までは発達段階の一部として見られることも多く、必ずしも問題行動とは限りません。
しかし、学習や友人関係に影響が出てしまうと、子ども自身の自尊心にも関わります。この記事では「なぜ落ち着きがないのか」という原因を整理し、家庭でできる具体的なサポート法をまとめました。
落ち着きがない・多動ぎみの主な原因
- 発達段階によるもの
幼児から小学校低学年は、まだ脳の前頭葉(感情や行動をコントロールする部分)が発達途中です。そのため、じっと座っているよりも動き回るほうが自然であり「落ち着きがない」と感じやすくなります。 - 生活習慣の乱れ
睡眠不足や食生活の乱れは集中力の低下を招きます。夜更かしや朝食抜きは、授業中の多動や注意散漫につながります。 - 環境要因
テレビやゲームなど刺激の強い環境に長時間さらされると、注意力が分散され、静かな環境での学習や待機が苦手になります。 - 心理的要因
不安・緊張・ストレスを抱えている場合、ソワソワと落ち着かなくなることがあります。家庭や学校での人間関係が背景にあることも。 - 発達特性(ADHDなど)
ADHD(注意欠如・多動症)の特性として「不注意」「多動性」「衝動性」が見られる場合があります。必ずしも診断が必要とは限りませんが、特性に合わせた支援を知ることが大切です。
多動ぎみな子どもに見られる行動例
- 授業中に席を立ってしまう
- 順番を待てず割り込みをしてしまう
- 課題を最後までやり遂げられない
- 会話中に相手の話を遮ってしまう
- 宿題に取りかかるまでに時間がかかる
- 家でも物を落としたり忘れ物が多い
これらは「わざと」ではなく、自己コントロール力が未発達であることが多いです。
家庭でできる効果的なサポート法
1. 生活リズムを整える
規則正しい睡眠とバランスのとれた食事は、集中力の基盤となります。
- 就寝・起床時間を固定する
- 朝食をしっかり摂る
- 適度な運動を取り入れる
2. 課題を小さく分ける
「宿題を全部終わらせる」という大きな目標よりも、
「まずは10分だけ」「1ページだけ」という小さな区切りが有効です。
3. ご褒美システムを取り入れる
行動ができたらシールやスタンプを与え、達成感を積み重ねると意欲につながります。
4. 環境をシンプルにする
勉強する机の上には必要な物だけ置き、テレビやスマホなどの誘惑を遠ざけましょう。
5. 体を動かす時間を確保する
じっとすることが苦手な子は、運動する時間を意識的に入れると、結果的に集中できる時間が増えます。
学校との連携の重要性
家庭だけで対応するのは限界があります。担任の先生に子どもの特性を伝え、協力してもらうことも大切です。
「授業中に立ってしまう」「忘れ物が多い」などの情報を共有し、学校でのサポート体制を整えると安心です。
ケース別の具体的な対応例
- 宿題に取りかかれない場合
宿題を机に出す→鉛筆を持つ→1問だけやる、と行動を細分化して声かけする。 - 授業中に立ち歩いてしまう場合
先生に「質問や発言の場を多めに与えてもらう」ことで動きたい欲求を満たしつつ参加させる。 - 友達関係でトラブルが多い場合
「順番を待つ練習」や「ことばでお願いする練習」を家庭で繰り返す。
親が気をつけたいこと
- 叱りすぎない
「落ち着きなさい!」と繰り返しても改善しません。できた行動を褒めることが効果的です。 - 比較しない
兄弟や友達と比べると、子どもは劣等感を強めます。 - 専門機関の相談も視野に
発達支援センターや小児科に相談すると、具体的なアドバイスや支援につながることがあります。
実体験からの気づき
私の子どもも低学年の頃、授業中に立ち歩くことが多く、先生から度々連絡がありました。最初は「どうしてうちの子だけ」と悩みましたが、生活リズムを整えたり、宿題を小分けにする方法を試したことで少しずつ改善しました。
「叱るよりも仕組みを整えること」が何より大切だと実感しています。
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