いじめの心配がある親へ

子育て
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いじめの心配がある親が増えている理由

現代の子どもたちは、SNSやオンラインゲームなど「見えない場所」での人間関係が広がっています。
そのため、昔よりもいじめの発見が難しく、親が「なんとなくおかしい」と感じた時には、すでに深刻化しているケースもあります。

文部科学省の調査によると、小中学校のいじめ認知件数は毎年増加傾向にあり、特に「無視」「悪口」「SNS上のトラブル」が多いとされています。
つまり、「うちの子は大丈夫」と思っていても、どの家庭にも起こり得る問題なのです。


子どもの「いじめのサイン」を見逃さないために

いじめの初期サインは、表面上の言動よりも小さな変化に現れます。
ここでは、親が気づきやすいサインを心理学と教育現場の知見からまとめます。

① 学校や習い事を嫌がるようになる

「行きたくない」と言い出すのは、すでにSOSが出ている可能性があります。
特に理由を聞いても「疲れた」「眠い」など、曖昧な答えしか返ってこない場合は要注意です。

② 持ち物の破損・紛失が増える

ノートが破れていたり、筆箱がなくなったりする場合、「偶然」で済ませず、背景に人間関係のトラブルがないか探りましょう。
ポイント💡:子どもは「自分でやった」など隠すこともあるので、寄り添って話を聞いてあげる事が大事

③ 表情や言葉が減る

以前はよく話していたのに、口数が減る、笑顔がなくなる。
これは、自己否定感やストレスの表れです。

④ 体の不調を頻繁に訴える

頭痛、腹痛、吐き気など、病院で原因が見つからない体調不良は、心理的ストレスが関係していることが多いです。


親ができる「聞き出し方」と「寄り添い方」

いじめの問題で最も大切なのは、子どもが安心して話せる環境を作ることです。

① 詰問せず、「気づいているよ」と伝える

「何かあった?」ではなく、「最近元気ないけど、心配してるよ」という声かけが効果的。
子どもに「責められている」と感じさせない言い方が大切です。
ポイント💡:親の体験談を先に話すと、子どもも似たようなことあった時に話しやすくなります

② 子どものペースを尊重する

話したがらないときは、無理に聞き出さず、信頼関係を少しずつ回復させましょう。
一緒にご飯を作る、散歩するなど「共有時間」を増やすことが有効です。

③ 否定せずに受け止める

「そんなことないよ」ではなく、「つらかったね」「教えてくれてありがとう」と受け止めることで、子どもは次も話してくれます。


学校への相談は「早め」がポイント

いじめ問題は「家庭だけで抱え込まない」ことが重要です。
学校の先生に伝えるタイミングと方法も、慎重かつ具体的に行いましょう。

① 担任に事実ベースで伝える

感情的にならず、「〇月〇日にこういうことがあった」と記録をもとに説明すると、学校側も対応しやすくなります。

② 担任以外にも相談窓口がある

・学年主任
・スクールカウンセラー
・教育委員会の相談ダイヤル
など、複数ルートでの相談が可能です。
特に学校内で話が進まない場合、外部機関への相談も検討しましょう。


家庭でできる心のケアと環境づくり

いじめの傷は、表面的な解決だけでは癒えません。
家庭では、「自分は大切にされている」という安心感を取り戻すことが大切です。

① 成功体験を積ませる

小さなことでも「できた!」を感じさせることで、自己肯定感が回復します。
たとえば、料理を一緒に作る、買い物でおつかいを頼むなど。

② 家の中で“安全基地”を作る

家は「何があっても味方でいてくれる場所」であることを伝えましょう。
否定や比較の言葉を避け、安心できる空気を作ることが大切です。

③ SNS利用を見直す

オンライン上のトラブルが原因の場合、スマホの使用時間や交友関係の見直しが必要です。
ただし「禁止」ではなく、「どう使えば安心か」を一緒に考える姿勢が有効です。


いじめの「後遺症」にも目を向ける

いじめが終わっても、心の中では「また同じことが起きるのでは」という不安が残ることがあります。
ここで大切なのは、回復の段階を理解することです。

  1. ショック期:何が起きたか整理できない
  2. 混乱期:怒りや自己否定が出る
  3. 再生期:少しずつ人との関わりを取り戻す

焦らず、専門家(カウンセラー・児童心理士)に相談することで、回復がスムーズになります。


実体験:親として気づけなかった後悔

小学3年生の頃、息子が「お腹が痛い」とよく言うようになりました。
最初は単なる体調不良だと思い、病院に行っても異常なし。
しかし、後から「友達にからかわれていた」と打ち明けてくれたんです。
あの時もっと早く気づいてあげられたら…と今でも悔やんでいます。
だからこそ、親が「なんとなく変だな」と思った時点で、動くことが大事だと痛感しました。
「お腹が痛い」というのは、「学校にいきたくない」というサインだったんです。


専門家・相談窓口の紹介

・【文部科学省】24時間子供SOSダイヤル
 📞 0120-0-78310(なやみ言おう)

・【チャイルドライン】
 📞 0120-99-7777(18歳まで無料)

・【いじめ防止対策推進室】
 教育委員会や自治体の窓口でも相談可能です。


まとめ:いじめの心配がある時、最も大切なのは「早く気づくこと」

いじめは「気づく」「話す」「支える」の3ステップで乗り越えられます。
親が気づいてあげることが、子どもにとって最大の救いになります。

そして、完璧な対応を目指すよりも、
「味方でいる」という姿勢を示すことが、子どもを救う最初の一歩です。

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