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子どもが「ゲームばかりやって困る…」。
これは現代の親の、もっとも代表的な悩みと言っても良いかもしれません。
ゲームが悪いのか?依存の可能性はあるのか?どう向き合えば良いのか?
悩むポイントは多く、正解が見えにくいですよね。
でも実は、「ゲームばかりやる」には必ず理由がある
そして親の関わり方次第で、ゲームとの付き合い方は大きく変わる
ということが、心理学・教育学の研究でもわかっています。
この記事では、
- なぜ子どもはゲームばかりするのか
- 隠れた心理・環境要因
- 依存を防ぐ親の関わり方
- 今日から家庭でできる改善策
- ゲームを「悪者」にしない接し方
- 私自身の実体験からわかったこと
これらすべてを、専門的視点と親の悩みに寄りそった形でわかりやすく解説します。
最後まで読むことで、「ゲームばかりする状態」が、自然と改善されやすい環境づくりの方法
を理解できるようになります。
■ なぜ子どもは「ゲームばかりやる」のか?
大前提:ゲームは“究極に設計された娯楽”
まず理解しておきたいのは、
ゲームは大人でもハマるほど、強力に「続けたくなるよう」設計されている
という事実です。
ゲームは、
- 報酬がすぐにもらえる( ドーパミンが分泌される)
- 成長実感が得られる(レベルアップ)
- 明確な目標がある(クエスト)
- 誰にも怒られず褒められる
- 自分のペースで進められる
- 現実より成功体験が得やすい
このように、子どもが喜ぶ要素が完全に揃っている超強力な娯楽です。
つまり「ゲームばかりする子ども」=「意思が弱い子」ではありません。
むしろゲームが魅力的すぎる環境に置かれている子どもと言ったほうが正確です。
■ 「ゲームばかりやる子ども」の裏に隠れている心理
「勉強や他のことをしないでゲームばかり…」
その背景には必ず理由があります。
ここでは親が気づきにくい“本当の理由”を深掘りしていきます。
① 現実世界よりゲームのほうが成功体験を得られる
ゲームでは簡単に「できた!」「勝てた!」が味わえます。
一方、現実の勉強やスポーツは努力が必要で、失敗も多い。
もし子どもが「現実での成功体験が少ない」場合、ゲームへ逃げやすくなります。
② 褒められる場所がゲームしかない
学校でうまくいかない
友達関係が難しい
親から怒られることが多い
きょうだいと比べられる
こういった環境にある子は、ゲームの中でだけ自分を認めてもらえると感じやすくなります。
ゲームが心の「安全地帯」になってしまうケースです。
③ 親に構ってほしいサイン
実は多いのがこれ。
「ゲームをしている=無関心」ではなく、ゲームを通じて親に話しかけたい、理解してほしい
という気持ちが隠れていることもあります。
私が実際に相談されたケースでも、
「今日こんなキャラが出た!」「ここまで進めた!」
という報告をするのは、本当は親と話したいからでした。
💡ポイント:ゲームの話だからと言って適当に流さずに話を聞いてあげましょう
④ 単に「やめ方」がわからない
大人でも経験があると思いますが、ゲームはやめ時が難しい仕様です。
子どもに「自制」だけを求めるのは酷です。
💡ポイント:ほかに一緒にやることを誘ってゲームをやめさせるのが効果的
⑤ 現実逃避(ストレスや不安)
- 勉強についていけない
- 友達とのトラブル
- 習い事が辛い
- 家庭のストレス
こうしたストレスから、気軽に逃げられるゲームに没頭するケースもあります。
■ ゲームを無理に禁止するのが危険な理由
結論から言うと、
ゲームを急に取り上げるのは逆効果になることが多いです。
理由は、
- 反発を生む
- 親子関係が悪化する
- 隠れてやるようになる
- 現実逃避の原因が解消されない
- ゲームの価値が逆に上がる
極端に制限された子どもは解禁された瞬間に爆発的にハマるという研究結果もあります。
大切なのは、「やめさせる」ではなく「付き合い方を整える」という視点です。
■ 今日からできる「ゲームばかりを防ぐ」家庭の関わり方
ここからは具体的な方法を紹介します。
① ゲームの前に「やることの順番」を決める
禁止ではなく、「やること→ゲーム」の順序を決めるのが最も効果的です。
例)
・宿題30分 → ゲーム30分
・お風呂 → ゲーム
・明日の準備 → ゲーム
順番を決めるだけで、親子の衝突が大幅に減ります。
② 時間制限を「一方的に決めない」
親が勝手に決めると子どもは反発します。一緒に「交渉」して決めるのがポイント。
例)
「1時間はどう?」
「じゃあ45分は?」
「土日はどうする?」
このような話し合いは、自己決定感を高め、従いやすくなります。
③ 終わり時間を“見える化”する
砂時計・タイマーアプリがおすすめです。
怒らずに済むので親のストレスも減ります。
④ ゲーム以外の「楽しい選択肢」を用意する
子どもがゲームしか選ばないのは、ほかの選択肢が魅力的でないだけの場合もあります。
- ボードゲーム
- 短時間でできる外遊び
- 親子での散歩
- 簡単な料理
親と過ごす時間が楽しいと思えれば、自然とゲーム時間は減ります。
⑤ ゲームの内容を理解する(これが一番効く)
親がゲームをまったく知らないと、子どもは「どうせ怒られる」と感じ、隠れてやるようになります。
逆に、
「そのキャラ強いの?」
「どこまで進んだ?」
と興味を示すだけで、親子関係は劇的に改善します。
⑥ 「ゲームが悪者」という空気を作らない
ゲームは悪ではありません。
認知能力や英語力が伸びる研究も多くあります。
大事なのはゲームを利用して成長につなげることです。
■ 子どもの話を聞き、どのように対策するのかを考える
・親がゲームを嫌っている
・勉強しろと怒られる
・やめないとゲーム機没収
こんな家庭は数多くあると思います。
子どもは「現実で怒られないのはゲームだけ」と感情になってしまいます。
- ゲーム時間を一緒に話し合って決める
- 毎日1分でいいのでゲームの話を聞く
- 勉強→ゲームの順番にする
- やめたら必ず褒める
たったこれだけで、1か月後には「ゲームのとのかかわり方が変わった」という話もあります。
家庭内でのかかわり方ひとつで、子どもも自然と変わるんだと強く感じた出来事です。
■ ゲームと上手に付き合う「家庭ルール」
● ルール例(小学生)
- 宿題 → 明日の準備 → ゲーム
- 平日は30分・休日は60分
- タイマーを使う
- 課金は親と相談
- ゲームはリビングのみ
● ルール例(中高生)
- テスト前の期間だけゲーム時間を短縮
- 夜22時以降は禁止(睡眠確保)
- オンラインゲームは声のトーンに注意
- 課金上限を月1000円以内
● 守れなかったときの対応
禁止ではなく「次の日に時間調整」で帳尻合わせのほうが効果的です。
例)
「今日は10分オーバーしたから、明日は10分短くしよう」
このほうが子どもは納得しやすい。
■ 親がやってはいけないNG行動
- 「ゲームやめろ!」と怒鳴る
- 課金の失敗を人格否定するように怒る
- 他の子と比較する
- 隠れてゲームを監視する
- 宿題が終わってもゲームを禁止する
これらは親子関係の悪化→ゲーム依存の加速につながります。
■ まとめ:ゲームは悪ではない。向き合い方で結果は大きく変わる
子どもが「ゲームばかりする」のは問題ではなく、家庭の関わり方と環境を整えるチャンス
でもあります。
- ゲームは魅力が強い
- しかし子どもの心理・環境に理由がある
- やめさせるより「順番を整える」
- 親子で話し合ってルールを作る
- 親がゲームを理解すると改善が早い
この流れを意識するだけで、子どものゲーム依存は自然と軽減し、
勉強・生活習慣にも良い影響が出ます。



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