人生に役立つ読書感想文の書き方|「あらすじ」ではなく「自分の考え」を書く方法

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「読書感想文を書きなさい」と言われても、子どもが鉛筆を持ったまま固まってしまう。

「面白かったです」

「楽しかったです」

「主人公がすごいと思いました」

そこから先が何も出てこない。

夏休みになると、このような子どもの姿に悩む家庭も多いのではないでしょうか。

親としても、

「どうやって書かせればいいんだろう?」

「親が文章を考えてしまったら宿題を代わりにやっていることになるのでは?」

「そもそも読書感想文って、何を書けば正解なの?」

と迷ってしまいます。

しかし、読書感想文は上手な文章を書くことだけが目的ではありません。

本を読んで、

「自分はどう思ったのか」

「なぜそう思ったのか」

「自分だったらどうするのか」

「自分の経験と似ているところはあるか」

を考え、それを自分の言葉で表現することに大きな意味があります。

この記事では、読書感想文を単なる「夏休みの宿題」で終わらせず、子どもの考える力や、自分の考えを伝える力につなげる書き方を紹介します。


読書感想文が書けないのは「作文が苦手だから」とは限らない

まず知っておきたいのは、読書感想文が書けないからといって、必ずしも「文章を書く能力が低い」というわけではないことです。

例えば、大人でも、「この映画どうだった?」と突然聞かれたら、

「面白かった」

「まあまあだった」

くらいしか答えられないことがあります。

ところが、

「どの場面が一番印象に残った?」

「主人公の行動についてどう思った?」

「自分だったら同じ行動をする?」

と質問されると、少しずつ話せるようになります。

子どもの読書感想文も同じです。

「この本を読んでどう思いましたか?」

という質問は、実はかなり大きな質問です。

子どもからすると、

「何について話せばいいの?」

となってしまいます。

だから、「感想がない」のではなく、感想を掘り下げるためのきっかけがないだけかもしれません。

読書感想文を書くときは、いきなり原稿用紙に向かうのではなく、まず自分の考えを見つけるところから始めてみましょう。


読書感想文で一番大切なのは「あらすじ」ではなく「自分の考え」

読書感想文を書くとき、多くの子どもがやってしまうのが、本のあらすじを最初から最後まで説明することです。

例えば、

主人公は○○という男の子です。
主人公には○○という友達がいます。
ある日、二人は○○をしました。
その後、○○という出来事が起こりました。
最後に主人公は○○しました。

このように本の内容を詳しく説明していると、かなりの文字数になります。

しかし、読書感想文で本当に読みたいのは、「その本を読んだあなたが何を考えたのか」です。

あらすじは、読んでいる人が感想を理解するために必要な範囲だけで構いません。

例えば、

主人公が友達と喧嘩をしてしまう場面がありました。

ここまで説明したら、

私はこの場面を読んで、自分も友達と喧嘩したときのことを思い出しました。

と、自分の話につなげることができます。

このように、

本の出来事 → 自分の感情 → 自分の経験 → 自分の考え

と進めていくと、読書感想文らしい文章になっていきます。


読書感想文を書くための5つの質問

「何を書けばいいか分からない」という子どもには、次の5つの質問を使ってみてください。

全部に答える必要はありません。

答えやすい質問から始めれば大丈夫です。

① 一番心に残った場面はどこ?

まずは、

「どこが一番印象に残った?」

と聞いてみましょう。

「主人公が泣いたところ」

「友達と仲直りしたところ」

「動物を助けたところ」

など、どんな答えでも構いません。

ここでは正解を求めないことが重要です。

「そんなところが面白かったの?」

と評価する必要もありません。

まずは子ども自身が選んだ場面を大切にします。


② その場面を読んで、どう思った?

次に、「そのとき、どんな気持ちになった?」と聞きます。

例えば、

  • 悲しかった
  • 嬉しかった
  • 怖かった
  • 面白かった
  • 腹が立った
  • 驚いた
  • 主人公がかわいそうだと思った
  • 主人公はすごいと思った

などです。

最初は単純な感情でも問題ありません。

大切なのは、その次です。


③ なぜそう思った?

ここが読書感想文を深くする重要な質問です。

例えば、

「主人公がかわいそうだった」

で終わるのではなく、

「どうしてかわいそうだと思ったの?」

と聞いてみます。

すると、

「一生懸命やったのに、友達に誤解されたから」

という答えが出てくるかもしれません。

さらに、

「自分だったらどうする?」

と聞けば、

「自分も悲しくなると思う。でも、ちゃんと話して誤解を解こうとする」

というところまで考えられます。

ここまで来れば、もう読書感想文の材料はかなり集まっています。


「なぜ?」を一回深掘りするだけで感想が変わる

読書感想文では、「どう思った?」だけで終わらず、「なぜ?」まで考えることが大切です。

例えば、

主人公が友達を助けたところがすごいと思いました。

だけなら、少しありきたりです。

でも、

主人公は自分も困っていたのに、先に友達を助けました。私は、自分が困っているときに友達を助けるのは簡単ではないと思ったので、すごいと思いました。

となれば、かなり具体的になります。

さらに、

私だったら自分のことを先に考えてしまうと思います。でも、この本を読んで、困っている人がいたら、自分にできることがないか考えてみたいと思いました。

まで進めれば、本を読んだことによって、自分の考えが変化したというところまで書けます。

これこそ、読書感想文で書きたい内容です。


④「自分にも似た経験がある?」と考える

読書感想文を書くときに非常に使いやすいのが、

自分の経験と本の内容をつなげる方法です。

例えば、本の中で主人公が友達と喧嘩したとします。

子ども自身にも、友達と喧嘩した経験があれば、それを思い出してみます。

私も以前、友達と喧嘩をしたことがあります。

ここから、

そのときは自分が悪いとは思いませんでした。

さらに、

でも、本の主人公が相手の気持ちを考える場面を読んで、もしかしたら自分も相手の気持ちを考える必要があったのではないかと思いました。

と続けることができます。

これは単なる本の感想ではありません。

本を読んだことによって、自分自身の経験を振り返っているのです。

ここに読書の大きな価値があります。


⑤「本を読む前と後で何か変わった?」と考える

最後に考えてほしいのが、

「この本を読む前と、読んだ後で何か変わった?」

という質問です。

例えば、

読む前:「困っている人を助けるのは、余裕がある人がすることだと思っていた」

読んだ後:「自分が少し大変でも、できる範囲で助けることはできると思った」

という変化があれば、それは非常に良い感想になります。

もちろん、必ず考え方が変わらなければいけないわけではありません。

「読む前と同じだった」という答えでも大丈夫です。

例えば、

「主人公の考え方には最初から共感していたけれど、物語を読んで、その考えをもっと大切にしたいと思った」

という変化でも十分です。


読書感想文は「本→自分→これから」の順番で考える

ここまでの内容を簡単にまとめると、読書感想文は次の流れで考えると書きやすくなります。

本の中で印象に残ったこと

自分はどう思ったか

なぜそう思ったか

自分にも似た経験があるか

本を読んで考え方が変わったか

これから自分はどうしたいか

この流れを意識するだけでも、「あらすじばかりの感想文」から大きく変わります。


読書感想文の書き出しは難しく考えなくていい

「最初の一文が書けない」という悩みもよくあります。

そんなときは、無理に格好いい書き出しを考える必要はありません。

例えば、

私がこの本を読もうと思ったきっかけは、○○です。

でも構いません。

あるいは、

この本を読んで、一番心に残ったのは○○です。

でもいいでしょう。

もっと自分の感情から始めても構いません。

私は最初、この本を読んでもそんなに面白くないと思っていました。

という書き方もできます。

むしろ、こうした素直な書き出しのほうが、その子らしさが出ます。

「上手な書き出し」を作ることより、「自分が本当に思ったこと」を書くことのほうが大切です。


「○○と思いました」を繰り返しても大丈夫?

子どもの感想文を見ると、

すごいと思いました。
面白いと思いました。
大切だと思いました。
自分もやってみたいと思いました。

と、「~と思いました」が何度も出てくることがあります。

これを大人がすべて直してしまう必要はありません。

まずは、何を思ったのかが書けていることが重要です。

文章を書くことに慣れてきたら、

私は○○と感じました。

○○ではないかと考えました。

読み進めるうちに、○○と思うようになりました。

など、少しずつ表現を増やしていけばいいでしょう。

読書感想文は、文学作品を書くコンテストではありません。

子どもが自分の考えを整理し、伝える練習として考えることが大切です。


「文字数を埋める」ことを目的にしない

読書感想文では、

「400字書かないといけない」

「800字書かないといけない」

など、文字数が気になることがあります。

しかし、最初から文字数を意識しすぎると、

「あと100文字足りない!」

となってしまいます。

その結果、あらすじを増やしたり、同じ内容を繰り返したりしてしまいます。

おすすめなのは、まず自分の考えを全部書くこと。

その後で、

「説明が足りないところはないか」

「なぜそう思ったのか書いているか」

「自分の経験とつながっているか」

を確認する方法です。

文字数を増やすために無理やり文章を足すのではなく、考えを深掘りした結果として文章が長くなるのが理想です。


親が読書感想文を手伝うときのポイント

ここは保護者にとって特に重要な部分です。

子どもが困っていると、

「こう書けばいいんじゃない?」

「こういうことを書きなさい」

と、つい答えを教えたくなります。

しかし、それを繰り返すと、子どもは「自分で考える」よりも「親から正解をもらう」ことに慣れてしまいます。

そこでおすすめしたいのが、親は「先生」ではなく「インタビュアー」になるという方法です。

例えば、

「一番好きだったところは?」

「どうしてそこが好きなの?」

「そのとき主人公はどんな気持ちだったと思う?」

「自分だったらどうする?」

「似たようなことを経験したことある?」

と質問します。

子どもが答えたら、その言葉をメモします。

そして、「今言ったこと、そのまま書いてみたら?」と促します。

これなら、文章そのものを親が作るのではなく、子ども自身の考えを引き出すことができます。


親がやってはいけないのは「正解の感想」を作ること

読書感想文には、

「この本を読んだら、こう感じるべき」

という正解があるわけではありません。

例えば、主人公が勇気を出して行動する物語でも、

Aさんは、

「勇気を出した主人公がすごいと思った」

と感じるかもしれません。

一方でBさんは、

「自分だったら怖くてできないと思った」

と感じるかもしれません。

どちらも、その子が本を読んで考えたことであれば、その感想には意味があります。

だから、「それじゃ感想文にならないよ」と否定するのではなく、

「どうしてそう思ったの?」と聞いてみましょう。

「どうして?」を掘り下げることで、子どもの個性が文章になります。


読書感想文は「人の気持ちを考える練習」にもなる

読書の面白さの一つは、自分とは違う立場の人の考えに触れられることです。

物語の主人公が自分とは違う考え方をしている。

友達と同じ出来事を経験しても、感じ方が違う。

同じ場面でも、登場人物によって受け止め方が違う。

そうしたことを考えることで、「自分はこう思うけれど、この人はどう思うだろう?」

という視点を持つきっかけになります。

もちろん、読書感想文を書けば必ず人の気持ちを理解できるようになるわけではありません。

しかし、本の登場人物について、「なぜこんな行動をしたのだろう?」

と考える経験は、自分とは違う立場を想像する練習になります。


読書感想文は「自分を知る」きっかけにもなる

読書感想文を書くとき、

「自分はこの場面でなぜ腹が立ったんだろう?」

「どうしてこの主人公には共感できたんだろう?」

と考えることがあります。

すると、自分自身の価値観が少し見えてきます。

例えば、「友達を大切にする場面が好きだった」という感想があったとします。

なぜ好きだったのかを考えていくと、

「自分も友達を大切にしたいと思っているから」

という価値観に気づくかもしれません。

反対に、「主人公の行動に納得できなかった」という感想から、

「自分ならこうする」という自分なりの考えが見えてくることもあります。

つまり、読書感想文は本について書いているようで、実は自分自身について考える時間でもあります。


AI時代だからこそ「自分の考え」を書く意味がある

これからの時代、文章を作ること自体は以前より簡単になっていくでしょう。

生成AIに、「この本の読書感想文を書いてください」

と頼めば、それらしい文章を短時間で作ることもできます。

だからこそ、これから重要になるのは、

文章を作ることだけではなく、「自分は何を考えたのか」を持つこと

ではないでしょうか。

AIは文章を整えることができます。

しかし、

「この場面を読んだとき、自分はどう感じたのか」

「なぜ自分はそう感じたのか」

「自分ならどうするのか」

という個人的な経験や価値観まで、AIが本人の代わりに経験することはできません。

これは読書感想文に限った話ではありません。

学校での作文、発表、面接、仕事での報告、誰かとの話し合いなど、人生のさまざまな場面で、

「あなたはどう考えますか?」と聞かれることがあります。

そのときに必要なのは、単にきれいな文章を書く能力だけではありません。

自分で考え、その考えを自分の言葉で説明する力です。

だからこそ、読書感想文を「面倒な宿題」とだけ考えるのではなく、その練習の一つとして捉えることができます。


「上手な感想文」より「その子らしい感想文」を

読書感想文を書くとき、親が一番意識したいのは、

上手に書かせることより、その子自身の考えを書かせることではないでしょうか。

大人が読めば、

「もう少しきれいな文章にしたほうがいい」

「この表現は変えたほうがいい」

と思うところもあるかもしれません。

もちろん、誤字脱字を直したり、意味が伝わらない部分を確認したりすることは大切です。

しかし、文章が少し不器用でも、

「私はこの主人公の考え方が嫌いです。なぜなら……」

と自分の意見を書いている文章には、その子にしか書けない価値があります。

反対に、どれだけきれいな文章でも、本人が何を考えたのか分からない文章なら、読書感想文の大切な部分が失われてしまいます。


読書感想文を書く前に、親子でやってみたいこと

原稿用紙をいきなり渡すのではなく、まず親子で本について話してみるのもおすすめです。

例えば夕食のときに、

「一番面白かったところは?」

「主人公と友達だったらどっちの気持ちが分かる?」

「自分だったらどうする?」

「この本で一番嫌だったところは?」

「この本を読んで何かやってみたいと思った?」

などと聞いてみます。

子どもが話した内容の中には、読書感想文に使える材料がたくさん含まれているはずです。

そして、子どもが話している途中で、

「それ、いいね。なんでそう思ったの?」

と一つだけ深掘りしてみる。

それだけでも、感想文の内容が変わってきます。


読書感想文は「人生に役立つ考える練習」

読書感想文というと、「夏休みの宿題」というイメージが強いかもしれません。

しかし、

本を読む → 感じる → 考える → 自分の経験とつなげる → 言葉にする

という一連の流れは、子どもが成長してからも役立つものです。

友達と意見が違ったとき。

先生に自分の考えを説明するとき。

学校で発表するとき。

将来、仕事で誰かに自分の意見を伝えるとき。

「私はこう思います」

だけではなく、

「なぜなら、こういう理由があるからです」

と説明できることは、大きな力になります。

さらに、

「相手はどう考えているのだろう?」

と考えられれば、自分とは違う意見にも耳を傾けやすくなります。

読書感想文は、そうした力を身につけるための一つの練習になるのです。


まとめ|読書感想文は「あらすじ」より「自分」を書こう

読書感想文を書くとき、

「何を書けばいいのか分からない」

と悩むのは珍しいことではありません。

そんなときは、いきなり原稿用紙に文章を書こうとするのではなく、まず次の質問に答えてみましょう。

① 一番心に残った場面は?

② その場面を読んでどう思った?

③ なぜそう思った?

④ 自分にも似た経験はある?

⑤ 本を読んで、自分の考えは変わった?

そして最後に、「これから自分はどうしたい?」と考えてみます。

この流れで考えると、単なる本のあらすじではなく、その子自身の考えが入った読書感想文になっていきます。

そして、親がサポートするときは、文章を作ってあげるのではなく、子どもの考えを引き出す質問をしてあげることが大切です。

読書感想文に「たった一つの正解」はありません。

「主人公がすごいと思った」でもいい。

「主人公の考え方には納得できなかった」でもいい。

「自分だったら違う行動をする」と考えてもいい。

大切なのは、なぜそう思ったのかを、自分の言葉で考えてみること。

そして、本を読んだことで、「自分は何を考えたのか」に気づくことです。

読書感想文は、上手な作文を書くためだけの宿題ではありません。

本を通して他人の考えに触れ、自分の経験を振り返り、自分の考えを言葉にする。

そう考えると、読書感想文は子どもにとって、**「自分の頭で考える練習」**とも言えるのではないでしょうか。

夏休みの宿題を終わらせるためだけではなく、これからの人生で自分の考えを持ち、それを人に伝えるための練習。

そう考えれば、少しだけ読書感想文の見え方も変わってくるかもしれません。

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