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2026年11月8日午前1時4分ごろ、静岡県西部を震源とする地震が発生し、愛知県知多市で最大震度5強を観測しました。
愛知県内で震度5強以上を観測したのは、1997年3月に発生した愛知県東部を震源とする地震以来、約30年ぶりです。
愛知県に住んでいる人の中には、今回の地震で初めて大きな揺れを経験したという人もいるのではないでしょうか。
一方で、こんな疑問を持った人もいるかもしれません。
「愛知県はほかの地域と比べて地震が少ないの?」
「なぜ愛知県では大きな地震が起きにくいと言われるの?」
「南海トラフ地震が近づいているということ?」
「今回の地震は今後の大地震と関係があるの?」
実は、愛知県は決して地震の危険性が低い地域ではありません。
過去には東海地震や東南海地震によって大きな被害を受けており、将来発生が懸念される南海トラフ地震でも、県内の広い範囲で強い揺れが想定されています。
では、なぜ愛知県では大きな地震が少ないように感じるのでしょうか。
この記事では、2026年11月8日に発生した地震の概要を整理しながら、愛知県で大きな地震が少ないと感じる理由、地震が発生する仕組み、南海トラフ地震との関係について、できるだけわかりやすく解説します。
2026年11月8日、愛知県で震度5強の地震が発生
まずは、今回の地震について確認しておきましょう。
2026年11月8日午前1時4分ごろ、静岡県西部を震源とする地震が発生しました。
気象庁が発表した地震の概要は次のとおりです。
- 発生日時:2026年11月8日午前1時4分ごろ
- 震源地:静岡県西部
- 震源の深さ:約41km
- マグニチュード:5.7(暫定値)
- 最大震度:5強
- 最大震度を観測した地域:愛知県知多市
この地震では、愛知県知多市で震度5強を観測したほか、愛知県の瀬戸市や静岡県浜松市などで震度5弱を観測しました。
名古屋市や豊橋市などでも震度4の揺れが観測されています。
また、地震によって建物の窓ガラスが割れるなどの被害が発生し、愛知県や静岡県ではけが人も確認されました。
今回の地震で注目したいのは、震源地が静岡県西部だったにもかかわらず、愛知県知多市で最大震度5強を観測したことです。
一般的には、震源に近い場所ほど揺れが大きくなる傾向があります。
しかし、実際の揺れの強さは震源からの距離だけで決まるわけではありません。
地震の規模や深さ、地盤の性質などによって、離れた地域でも強い揺れが発生することがあります。
今回の地震でも、震源からの距離だけでは説明できない揺れ方が見られました。
そもそも、なぜ地震は発生するの?
愛知県で大きな地震が少ない理由を考える前に、まずは地震が発生する仕組みを理解しておきましょう。
地球の表面は、一枚の岩のようにつながっているわけではありません。
地球の表面付近は、いくつもの巨大な岩盤に分かれています。この岩盤を「プレート」と呼びます。
プレートは非常にゆっくりと動いており、互いに押し合ったり、離れたり、別のプレートの下に沈み込んだりしています。
この動きによって地中に力が蓄積され、限界に達すると岩盤が急激にずれます。
そのときに発生する振動が、地震です。
日本周辺には複数のプレートが集まっているため、世界的に見ても地震活動が活発な地域となっています。
特に愛知県周辺では、フィリピン海プレートが陸側のプレートの下に沈み込んでいます。
このプレートの動きが、東海地方の地震活動に大きく関係しています。
地震には大きく分けて2つのタイプがある

地震は発生する場所や仕組みによって、いくつかの種類に分けられます。
代表的なのが、次の2つです。
1.プレート境界で発生する地震
プレート同士が接している境界部分で発生する地震です。
海側のプレートが陸側のプレートの下に沈み込むと、境界部分にひずみが蓄積されます。
そのひずみが限界に達してプレート境界が急激にずれることで、大きな地震が発生します。
南海トラフ地震は、このタイプの地震です。
2.プレート内部や陸地の浅い場所で発生する地震
プレートの内部や、陸地の地下にある断層などがずれることで発生する地震です。
今回の2026年11月8日の地震は、気象庁によると、陸側のプレートの下に沈み込んでいるフィリピン海プレートの内部で発生したとみられています。
つまり、南海トラフ地震のようにプレート同士の境界がずれて発生した地震とは、仕組みが異なります。
この違いが、今回の地震を理解するうえで重要なポイントです。
なぜ愛知県では大きな地震が少ないように感じるのか?
今回の地震が約30年ぶりに愛知県で震度5強以上を観測したと聞くと、「愛知県は地震が起きにくい地域なのでは?」と思うかもしれません。
確かに、愛知県では近年、震度5強以上の揺れを観測する機会が多くありませんでした。
しかし、それは愛知県の地下で地震を引き起こす力が働いていないという意味ではありません。
大きな地震が少ないように感じる理由には、いくつかのポイントがあります。
1.大きな地震は一定の間隔で発生するわけではない
地震は、毎年決まった時期や間隔で発生するものではありません。
例えば、ある地域で数十年間大きな地震が発生しなかったとしても、それだけで今後も地震が起きないとは言えません。
プレートや断層に蓄積される力の大きさ、岩盤の状態、周囲の地質など、さまざまな要素が関係しているためです。
また、過去に大きな地震が発生した地域でも、次の地震まで長い時間が空くことがあります。
愛知県で震度5強以上の地震が約30年ぶりだったという事実は、あくまで観測された揺れの記録についての話です。
愛知県で地震活動そのものが約30年間ほとんどなかったという意味ではありません。
実際、震度5強より小さな地震は、これまでにも愛知県やその周辺で発生しています。
2.震源の位置や深さによって揺れ方が変わる
地震の揺れは、震源の位置や深さによっても変わります。
例えば、同じマグニチュードの地震でも、震源が浅い場合と深い場合では、地表で観測される揺れ方が異なります。
また、震源から離れた地域でも、地盤の状態によって揺れが大きくなることがあります。
今回の地震では、震源が静岡県西部の深さ約41kmにありました。
それにもかかわらず、愛知県知多市で最大震度5強を観測しています。
これは、地震の揺れが震源からの距離だけで決まるわけではないことを示す事例です。
3.地盤の違いによって揺れやすい場所がある
地震の揺れ方には、地盤の性質も大きく関係しています。
例えば、硬い岩盤が広がる場所と、川や海によって運ばれた砂や泥が厚く積み重なっている場所では、同じ地震でも揺れ方が異なる場合があります。
一般的に、やわらかい地盤では地震の揺れが増幅されることがあります。
一方、地震波の周期や地盤の構造によっては、比較的硬い地盤の地域で揺れが大きくなるケースもあります。
今回の地震についても、専門家から地盤の影響が指摘されています。
つまり、「愛知県だから揺れにくい」「海から離れているから安全」と単純に判断することはできません。
同じ愛知県内でも、住んでいる場所によって地震の揺れやすさは異なります。
愛知県は本当に地震が少ない地域なのか?
ここまで読むと、愛知県は大きな地震が少ないように感じるだけで、実際には地震のリスクがある地域だということが分かります。
では、過去にはどのような地震が発生していたのでしょうか。
歴史を振り返ると、愛知県は決して大きな地震と無縁ではありません。
1854年:安政東海地震
1854年12月23日、安政東海地震が発生しました。
地震の規模はマグニチュード8.4と推定されています。
この地震は、駿河湾から遠州灘にかけての地域を中心に発生した巨大地震で、愛知県を含む広い範囲に強い揺れをもたらしました。
当時は現在のような耐震基準や建築技術が整っていなかったこともあり、各地で建物の倒壊などの被害が発生しました。
1944年:東南海地震
1944年12月7日には、東南海地震が発生しました。
地震の規模はマグニチュード7.9と推定されています。
この地震では、愛知県や三重県、静岡県などで大きな被害が発生しました。
特に愛知県では、名古屋市周辺や三河地域などでも強い揺れが観測されています。
この地震は、太平洋側のプレート境界で発生した海溝型地震です。
現在、発生が懸念されている南海トラフ地震と同じタイプの地震に分類されます。
1997年:愛知県東部の地震
1997年3月16日には、愛知県東部を震源とするマグニチュード5.9の地震が発生しました。
この地震では、豊橋市で震度5強を観測しています。
今回の2026年11月8日の地震まで、愛知県内で震度5強以上が観測されたのは、この地震以来となります。
こうして過去の地震を振り返ると、愛知県では大きな地震が発生していないわけではなく、長い歴史の中で繰り返し強い揺れを経験してきたことが分かります。
今回の地震は南海トラフ地震と関係があるの?
今回の地震で、多くの人が気になったのが南海トラフ地震との関係ではないでしょうか。
気象庁によると、今回の地震は南海トラフ地震の想定震源域内で発生しました。
そのため、「いよいよ南海トラフ地震が近づいているのでは?」と不安に感じた人もいるかもしれません。
しかし、今回の地震は、南海トラフ地震とは発生の仕組みが異なります。
南海トラフ地震は、フィリピン海プレートが陸側のプレートの下に沈み込む場所で、プレート境界が大きくずれることによって発生すると考えられています。
一方、今回の地震は、沈み込んでいるフィリピン海プレートの内部で発生した地震です。
つまり、同じ地域の地下で発生していても、地震を引き起こした場所が異なるのです。
気象庁は、今回の地震の規模から、南海トラフ沿いのプレート間の固着状態に特段の変化を示すものではないと説明しています。
そのため、今回の地震が直接、南海トラフ巨大地震の発生を意味するわけではありません。
ただし、ここで勘違いしてはいけないことがあります。
今回の地震と南海トラフ地震の関連性が低いと考えられていることと、南海トラフ地震の危険性が低くなったことは別です。
南海トラフ地震は、以前から発生が懸念されている巨大地震です。
今回の地震によって危険性が高まったと断定することもできませんが、反対に、危険性がなくなったと考えることもできません。
南海トラフ地震が発生した場合、愛知県はどうなる?
愛知県で生活している人にとって、南海トラフ地震は決して他人事ではありません。
南海トラフ地震は、静岡県沖から宮崎県沖にかけての海域で発生する可能性がある巨大地震です。
この地域では、フィリピン海プレートが陸側のプレートの下に沈み込んでいます。
プレート境界にひずみが蓄積され、それが限界に達すると、広い範囲で大きな地震が発生する可能性があります。
2025年に公表された南海トラフ巨大地震の被害想定では、愛知県内でも広い範囲で震度6強以上、一部では震度7の揺れが想定されています。
特に知多半島、西三河、東三河などの平野部や沿岸部では、強い揺れが想定される地域があります。
また、揺れだけでなく、津波や液状化にも注意が必要です。
愛知県で注意したい3つの被害
1.建物の倒壊や家具の転倒
震度6強や震度7の揺れになると、立っていることが難しくなり、固定されていない家具が大きく移動したり、転倒したりする可能性があります。
古い建物や耐震性が十分でない建物では、倒壊の危険性も高まります。
特に寝室やリビングなど、長い時間を過ごす場所では、家具の配置や固定方法を見直しておきましょう。
2.液状化現象
液状化とは、地震の揺れによって地面が一時的に液体のような状態になる現象です。
砂と水を多く含む地盤で発生しやすく、地面が沈んだり、建物が傾いたり、マンホールが浮き上がったりすることがあります。
愛知県では、濃尾平野や岡崎平野、豊橋平野などの一部で液状化の危険性が高いと想定されています。
自宅や職場がどのような地盤にあるのか、自治体のハザードマップで確認しておくことが大切です。
3.津波や浸水
愛知県は太平洋に面しており、伊勢湾や三河湾などの沿岸地域もあります。
南海トラフ地震では、津波によって沿岸部に大きな被害が発生する可能性があります。
特に渥美半島や豊橋市、田原市などの太平洋側では、津波からの避難が重要になります。
また、海岸から離れた地域でも、河川や低地を通じて浸水する可能性があります。
津波の危険がある地域では、揺れを感じたら津波警報などの情報を待つだけでなく、自治体が指定する高台や避難場所へ速やかに避難できるようにしておきましょう。
愛知県に住んでいる人が今からできる地震対策
今回の地震をきっかけに、改めて自宅の地震対策を見直してみてはいかがでしょうか。
大きな地震は、いつ、どこで発生するかを正確に予測することができません。
だからこそ、普段から備えておくことが重要です。
1.家具や家電を固定する
地震が発生したとき、家具や家電が倒れてくると、けがをしたり、避難経路がふさがれたりする可能性があります。
特に、次のような場所を確認してみましょう。
- 寝室の近くにある本棚やタンス
- テレビや電子レンジなどの家電
- 食器棚や冷蔵庫
- 玄関や廊下に置いてある収納家具
家具転倒防止器具や耐震マットなどを活用し、できるだけ転倒しにくい状態にしておきましょう。
2.水や食料を備蓄する
大きな地震が発生すると、電気・ガス・水道などのライフラインが止まる可能性があります。
そのため、最低でも3日分、できれば1週間分を目安に水や食料を備蓄しておくことが推奨されています。
水は1人1日3リットル程度を目安に準備するとよいでしょう。
食料は、普段から食べているレトルト食品や缶詰、保存のきく食品などを多めに購入し、古いものから消費して新しいものを補充する「ローリングストック」を活用すると無理なく備えられます。
3.自宅周辺のハザードマップを確認する
同じ愛知県内でも、地域によって地震の揺れやすさや津波、液状化の危険性は異なります。
自治体が公開しているハザードマップを確認し、自宅や職場、よく利用する場所の危険性を把握しておきましょう。
特に確認したいのは、次の項目です。
- 想定される地震の震度
- 津波による浸水想定
- 液状化の危険度
- 避難場所や避難経路
- 土砂災害の危険がある場所
自宅から避難場所まで、実際に歩いて確認しておくと、いざというときに行動しやすくなります。
4.地震が発生したときの行動を決めておく
地震が発生したとき、慌てずに行動するためには、事前に行動を決めておくことが大切です。
例えば、次のようなことを家族で話し合っておきましょう。
- 地震が起きたときに身を守る場所
- 家族との連絡方法
- 災害時に集合する場所
- 避難するときに持ち出すもの
- 自宅に戻れない場合の行動
災害は、家族が全員そろっているときに発生するとは限りません。
仕事中や外出中など、離れた場所にいる場合も想定しておくことが重要です。
まとめ:愛知県は地震が少ない地域ではない。今回の地震を防災のきっかけに
2026年11月8日、静岡県西部を震源とする地震が発生し、愛知県知多市で最大震度5強を観測しました。
愛知県内で震度5強以上の揺れが観測されたのは、約30年ぶりです。
そのため、愛知県は大きな地震が起きにくい地域だと感じる人もいるかもしれません。
しかし、過去には1854年の安政東海地震や1944年の東南海地震など、愛知県に大きな被害をもたらした地震が発生しています。
また、将来発生が懸念される南海トラフ地震では、愛知県内でも震度6強以上、一部では震度7の揺れが想定されています。
今回の地震は、南海トラフ地震とは発生の仕組みが異なると気象庁が説明しています。
ただし、それによって愛知県の地震リスクがなくなったわけではありません。
大きな地震は、いつ発生するかを正確に予測することが難しい災害です。
だからこそ、今回の地震をきっかけに、自宅の家具の固定や備蓄品の確認、ハザードマップの確認など、できることから始めてみましょう。
「愛知県は今まで大きな地震が少なかったから大丈夫」と考えるのではなく、「いつ地震が起きてもおかしくない」という意識を持つことが、自分や家族の命を守ることにつながります。


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